Definition キャリアサイエンスとは|株式会社キャリアサイエンス研究所|Career Science Institute

キャリアサイエンスとは

Definition

・ここでは、当研究所の研究対象である「キャリアサイエンス」の概略を説明します。

・新しい概念であるため、まだ十分に整理できてはいませんが、基本的には、下記の3つの側面を特徴とする「科学(一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動) 」であると考えています。


「職業的成功」を支援する科学


キャリアサイエンスの目的は、人々の「職業的成功」を支援することにあります。

職業での「成功」というと、高額の報酬や高い地位など、仕事の「結果」として手に入れたものをイメージしがちですが、ここでの「成功」とは、以下に示すように、あくまでも従事する仕事それ自体がうまく行っていることを意味します。

1つめは、従事する仕事に対して「適合感」を感じていることです。自分の価値観や欲求にマッチしており、誇りややりがいを感じることができる。あるいは性格的にも能力的にも合っていると感じており、無理なく続けることができる。こうした状態にあることです。

2つめは、従事する仕事において、「安定的に成果が出せる状態」になっていることです。本人がいかに適合感を感じていようとも、他者に十分な「価値」を提供できなければ、その仕事を続けることは困難です。研鑚を重ね、安定的に成果が出せるだけの能力を身につけたとき、はじめて持続性は確保され、「成功」と呼べる状態に至ることができると考えられます。

このような「成功」は、適切な努力によって誰でも手に入れることが可能であり、また手に入れるべきものと考えます。自分に合わない仕事でストレスを抱え続けることも、成果が出せず不安定な立場に置かれることも、けっして幸福なことではありません。1度きりの人生を、明るく前向きに過ごすために、誰もがこの「成功」を手に入れるべきなのです。

キャリアサイエンスは、こうした問題意識のもとに構想された、「万人の職業的成功」を支援するための科学です。

「職業選択と能力開発の方法」を探究する科学


「職業的成功」には、2つの大きな課題があります。

1つは「適切な職業選択」です。「仕事への適合感」が、職業的成功の条件であることは既述の通りであり、その可能性を高めるには、選択段階が非常に大切になります。価値観・性格・能力などが適合しており、無理なく続けられるのは、どのような職業や職種なのか。自己の特性と職業の要請を正確に認識し、「適合可能性」の高低を冷静に見定める作業が必要となります。

もう1つは「適切な能力開発」です。どんなに適合性の高い職業に就いたとしても、それだけで、成功が保証される訳ではありません。その職業・職種において必要な能力は何かを把握すると同時に、能力を高める(開発する)ための適切な方法を認識し、鍛錬を重ねることで、少しずつ能力を高めていくこと。こうした地道な努力が求められます。

上記の2つの課題こそ、キャリアサイエンスが、主たる研究対象とするものです。

「適切な職業選択」に関する研究においては、選択に関わる個人の特性とは何か、各職業や職種において必要となる特性は何か、「適合可能性」を判断する最善の方法は何かといったテーマに取り組むことになります。一方、「適切な能力開発」においては、各職業・職種で必要な能力は何か、それを測定する適切な方法は何か、開発のための効果的方法は何かといったテーマに取り組むことになります。

キャリアサイエンスは、こうしたテーマについて、有用な知見を世の中に提供する科学だと考えています。

「個人・企業・社会」に貢献する科学


「職業的成功」のためには、もちろん主体である個人の努力が不可欠ですが、企業や社会の支援も欠かせません。この「支援者」たる企業や社会に対する貢献も、キャリアサイエンスの重要な役割であると考えています。

企業に対しては、HRM(人材管理)やHRD(人材開発)に多大な貢献をすることができると考えています。たとえば、社員を採用するとき、どのような価値観、どのような能力を持った人物を採用することが望ましいかを、科学的アプローチによって明らかにする。あるいは、企業の業績向上のために不可欠な能力について、実践的な開発方法を提起する。高い適合性と高い成果創出力を持った人材を輩出するための理論と手法を、キャリアサイエンスは提供できると考えています。

また社会に対しても、多大な貢献が可能と考えています。本来、「職業的成功」の最大の支援者が学校であることは言うまでもありませんが、残念ながら、その役割を十分に果たせていません。キャリアサイエンスは、「職業的成功」を実現するために、学校はどのような役割を担うべきか、また具体的にどのような教育が必要かを明らかにするといった機能で、社会に貢献できると考えています。

個人の努力と、企業や社会の支援施策は、有機的に結びつくことで、はじめて実効性を生むものとなります。既成の枠組みにとらわれず、徹底的な目的志向の科学であろうとすること。それもまたキャリアサイエンスのめざすところです。